逃がされた魚

大きくなりたい。

 暇だ。

 時間の暇は心の暇になるからよくない。

 寂しさと無気力。

 友達に話しかける気力もない。元気に話す自信がない。

 寂しさを埋めるのは自分しかいない。

 何で埋めるの?思い出で埋めようそうしよう。

 私が思い出せること、楽しかった時のこと、愛されていた時のこと。

 幸せだった、とは思ってない。

 幸せだ、と思っていたけど、それは嘘なのだ。あれが幸せじゃいけない。そうでしょう?

 じゃあ、今のほうが幸せ?

 、、、たぶん、そういうわけでもない。健康にはなった。でも、あの時感じていた幸せは、感じない。 

 いつも何か足りない。物足りないとかじゃない。欠けている。

 何が足りない?何が欲しいの?

 愛されたい。

 あの時ですら、あの人にすら、本当は愛されなかった。

 思い起こす。別れてすぐ別の人を好きになったらしい、その話を聞いたとき。どうしようもない。誰も悪くない。何も言えない。誰にも言えない。受け入れなきゃ。受け入れなきゃ。

 ずっと愛してるって言ってたのにな。私何がだめだったのかな。あんなに頑張っても、だめなんだ。あんなに頑張っても、私じゃだめなんだ。私はだめなんだ。愛される資格がないんだ。

 ああなんか、だめだ。私はきっと何か、欠けてるんだ。見た目?声?体型?性格?器用さ?匂い?愛らしさ?かわいらしさ?明るさ?何?何?何?

 不良品だ。みんなちゃんとできているのに、私できない。生まれてくるべきじゃなかった。可愛くないから愛されないけど、一人で生きてくこともできない。嫌だ。嫌だ。認めてよ。好きって言ってよ。大事だって言ってよ。離れないでよ。いなくならないでよ。抱き締めてよ。あと、あと、あと、他に、他にどうしたら、どうしたら私は救われる?どうしたら愛されてるって安心できる?どうしたら、愛されなかったことに、泣かないで済むの?

 生きてる限りみんなひとりとか、そういうのいいから、やめてよ、ずっと繋がっていようよ、もう二人で一人になっちゃおうよ、そうしようよ。寂しいのもうやだ。もう嫌だよ。欲しがりたくないし、失いたくない。やだやだ、ああやだやだ。