逃がされた魚

大きくなりたい。

女の子する唇

    唇がカサカサな女子は恋を逃すらしい。今テレビでやっていた。

    自慢ではないが、私は毎日リップスクラブをしている。スクラブでツルツルにして、ワセリンで保湿して、たまにマッサージしてプルプルにしてる。LUSHのリップスクラブおすすめ。

    可愛い下着も買った。自慢ではないが、私はEカップだ。とてもそうは見えない。アニメならBかCと設定される程度にしか見えない。でもアルファベットは嘘にはならないし、可愛い下着も持っている。可愛すぎて自分のぽよぽよのお腹が恥ずかしくなったくらい可愛い。

   昨日は美容院に行った。髪質改善なんちゃらみたいなやつをやってきた。確かにサラサラしている。こないだ担当してくれたお兄さんは、私が成人式まで髪を伸ばしていることも覚えてくれていた。あと髪型を褒める時に可愛いと言ってくれる。通う。

    こないだ、医療脱毛を申し込んだ。現金22万円を封筒に詰めて行った。パソコンより高い買い物をする日が来るとは。永久って聞いちゃうと今の20万やそこら大したことないな…と思ってしまう金銭感覚チンパンジーなので、タピオカ代をケチりながらお金を貯めている。

    化粧をする日は1時間くらいかける。それかすっぴん。ON/OFFのメリハリがすごい。マックス・オブ・ザ自分か、as I amかどちらかでないと嫌なのだ。化粧をして可愛いと思ってもらえたら嬉しいし、すっぴんも好きだと思われたら最高だ。最近ちょっと化粧が上手くなって、大学の友達から「いつも可愛いけどなんか今日いつもより可愛いね!」と言われた。全人類を超美人と美人に分けるなら〜論に似た何かを感じたが、まあ気にしない。

    何を言いたいかって、ちゃんと女の子してると思うのだ。私。確かに小学生からのバスケとバレーで鍛え上げられた腕はそこらへんの男子より屈強そうだし、肩幅もまあある。手の大きさは女子には負けたことがないし、足も大きくて靴屋に行くのが憂鬱だけども。けども。ちゃんと女子のルーティンを頑張っていると思うのだ。

 

    女性陣は私がつらつら述べてきた女子的活動を、いや普通じゃね??と感じられるかもしれない。そう思えるとしたら、私の女子力レベルが低い(のはもちろんのことそれ)以上にあなたの努力度が高い。自信を持って欲しい。

    私は彼と別れるまでまともに化粧もできなかったし、見た目に気使うとか馬鹿らしいなくらいにしか思っていなかった。彼に好かれるために申し訳程度のリップと、彼の好きそうな…下着を揃えたりはした。でも基本ズボラだから化粧水めんどくせー、日焼け止めいいや塗んなくて、マニキュアとか無理〜〜って感じで生きていたのだ。

   しかし彼と別れて何もすることがなくなって自分に自信がなくなった。友達に勧められて化粧をちょっと頑張るようになった。最初は彼にまた振り向いて欲しいと思ったりしたのだけど。そのモチベーションがなくなってもまあまあやっている。

    自分もちょっとかじるようになってわかった。思った以上に時間もお金も労力もかかる。マツエクなり美容院なりネイルなり脱毛なり、基本行けば一万はかかると見ておく。時間もかかるし予定を空けなくてはいけない。足を運ぶのもめんどくさいし手入れもめんどくさい。それを数ヶ月に一回ずつ、もしくは一ヶ月に数回するのだ。服もコスメも香水も諭吉がぽこすか飛んでく。一個五千円のデパコスで化粧ポーチ埋まってる人って何で稼いでんの?もしくは自家生産??

   そして、この時間やお金や労力を、みんな当然のように払っているのだ。アンビリーバボー。この水準で生きてる世の女性偉すぎる。ただ生きてるだけで偉いのに。

    どうも女の子は、自分を磨く生き物らしい。殿方の事情はよく知らないし、私は男に対する女について語っているのではなくて独立した存在としての「女の子」について話している。ジェンダーがどうとか言いたいのでもない。一つの概念であり価値観ですらあるかもしれない「女の子」という集合は、その内に「女の子」である故、或いはそうである為、努力するたくさんの実体としての女の子を内包している。

    とりあえず、私はそんな女子という集合の端くれとして、彼女らに敬意を払う。挙げて行ったらきりのない小さな努力を、平然と行なっている彼女ら、私たちはすごい。もっと自分を褒めていいと思う。もちろんお化粧とかをできなかった日も、肌に優しくてとてもいい。とにかく偉い。

    しかし、それを常識として、あるいは他人、特に異性へのアピールとしてこなしている部分はあれど、自分磨きを自分自身の喜びとしている人が多いのも興味深い。女子とはそういう習性なのだろうか。

 

    以前奢る奢らない論争が熱を持っていたが、私はここで女子は頑張っているから奢れと言いたいわけでもない。そこに関しては、この現状を知った上で男性がどう感じてどう行動するかでしかない。私は奢られるのをあてに行動するのはみっともないと感じるが、別に何が正しいわけでもない。だからそんなのは、その人同士の関係性や個人の感性の問題で、ここで一般化はしない。

   ただ、男性各位には女子の「女の子」らしさや「可愛い」がどうやって作られているのか、知っていて欲しいと思う。朝起きたら化粧が出来上がって髪が巻かれているわけではない。あなたに会うためか単に外出するからかはわからないが、ある程度「可愛い」を作ってきているはずである。それが自分のためであると思うことは傲慢だが、目的が何にせよ努力したことを知って接して欲しい、と思う。別に声に出して褒めろというのではなく、女子の化粧や肌のコンディションなどについて何かを言う時はよく考えてからね、ということだ。もちろん男性に配慮がいらない、という話ではなく。

   私も少し頑張り始めて、でもそれにより皮肉にも自分の限界がなんとなくわかった。私は峰不二子にはなれない。私の低い鼻とタレ目じゃいわゆる美人にはなれない。多分女の子は特に、鏡と、自分の見た目とずっと向き合っている分、自分のダメなところどうしようもないところもよく理解している。だからこそ、大事な人からの「可愛い」が欲しいのだ。自分の気に入らないところはなくならないけど、可愛くなろうとする努力やそれをする自分を認めてくれる人がいるなら、大事な人が自分のことを可愛いと思ってくれるなら、頑張る意味の一つになる。そしてたまにさぼっても許して欲しい。許すも何も他人はとやかく口を出すべきじゃないんだけど。頑張っているのを当たり前だと思わないでいて欲しい。

    なんて、私には女心はわからないけど、それっぽいこと書いてみました。結局、みんな自分はある程度頑張って、他人に対しては甘く優しく見てあげれば、頑張るのも頑張らないのも楽になるのになぁなんて思うわけです。男女関係なくね。さあ私は明日突如恋人ができてちゅーすることになっても大丈夫なよう今日もリップをスクラブして寝よう。おやすみなさい!!